2-27.心から思う

27.文句を言いながらやったり、ここまでしてあげたのに何の感謝もないと思う行動ならば、望む答えは返っては来にくい。本当の想いでしたことなら、自分がしたくてしたのだからと、相手に対して何も望まないだろう。相手の幸せを心から想えるから。そういう関係を築いていけるように。



〈さて、風はどこまで行ったのだろう?
 来たら話をしたい。〉

白い虎は遠くを眺めながら呟いた。

「沢山知り合いが居るから、
 きっと話が盛り上がってるんでしょう」

私が言うと、大きな木も話し始めた
〔風はいつも、いつも
 沢山のモノの想いに寄り添ってきた。
 何か見返りを求める訳でもなく、
 ただ、ただ、相手を想う気持ちで
 話を聞き続ける。だから何かあると
 皆が風を頼る。
 そして、風に何か頼まれた相手も
 風の為ならと自然と動き出す。
 風の徳が皆にも伝染しているんだろう〕

そう、言いながら大きな木が穏やかに微笑んだ。

「損得を考えずに動くから
 周りの心もその想いを感じて
 自然と動きだしてしまうんでしょうね」

〔そうだね、見返りを求める相手や
 何かあるのでは、と裏ばかりを探る相手には
 誰も手を貸さないだろう。
 本当の親切や優しさは
 必ず相手にも届く。
 届いた相手がその優しさに気づくと、
 今度は届いた相手がまた別の誰かに
 その優しさを届け始める。
 もし、相手に届かないにしても
 届けた方は自分がしたいからしただけの事
 だと思って終わるだろう。〕

「そう考えたら、
 損得とは自我なんでしょうかね…
 自分がこうしてあげたんだから
 とか、自分が、自分が、
 と主張する考えでは
 周りは離れてしまうし…
 頼まれたらやるでしょうが
 誰も手を自ら貸さないでしょうね」

〔まぁ、その域に達するには
 心の学びが必要になる。
 自分はそういう風にしているや、
 出来ていると思っている時点で
 出来ていない。
 まだまだ、と思い学ぶ気持ちを失って
 横柄になっていくだけ。
 だから謙虚さが大切。学ぶ気持ちが大切。
 風は一度も自分がしている事を
 自ら周りに言った事はない。
 ただ周りが勝手に評価しているだけで、
 風自体は、
 自分がしたいからしているだけの事
 だから何も意識していない。
 だから余計に周りは
 感謝しているだけのこと〕

「なるほど…そうですね
 私も風には本当に感謝しています」
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