2-21.探し続ける

21.何をするべきか、何かを探し続けて生きている人が多い。見つけてしまえば、難なくこなせる。
ソレをしている時が一番満たされていると感じることを。その為には歩みを止めてはならない。
そして、見えなくなっている原因を知らなければならない。


湖畔に着くと綺麗な花が沢山咲いていた。湖は水が澄んでいて、目の前にそびえ立つ山や空の姿が水面に綺麗に映し出されていた。
空気もとても澄んでいて居るだけで癒される空間だと直ぐに分かった。

私は休める場所が無いか探そうと周りを見渡していると、風が良い場所があると大きな木のある場所に案内をしてくれた。

「久しぶりに来たけれど、変わりはない?」

風が大きな木に話しかけた。

〈そうだね。久しぶりだね。
 相変わらずだよ。年月を重ねながら、
 しぶとくココに居座ってるよ〉

大きな木は、笑いながら答えた。

「そう、元気そうで良かった。」

〈元気?元気ではないな、
 あちこち傷み始めてそろそろ潮時だと
 感じている。もう十分生きた。
 そろそろバトンを次に渡す時がきている〉

そう言って、大きな木の横に芽生え始めたばかりの同じ種類の木を嬉しそうに見つめた。

「そうなんだ。もうその時が近いんだね」

『その時って?どういう意味なの?』

私が思わず発した言葉で
大きな木が私に気づき
風が私はを紹介してくれた。

「ゴメン、紹介が遅れたね。僕と一緒に旅をしているんだ。」

『すいません、
 急に話しに入り込んでしまい』

〈いや、良いんだよ。
 こちらも気づけずすまなかった。
 年のせいか見えなくなってきてるのでね〉

優しく微笑んみながら、そう言ってくれた。

〈それで?質問は何だったかな?〉

『あ、その時と言うのは?』

〈その時…ソレはココから離れることだよ。
 もう十分に役目を果たしたからね〉

「そうだね、
 アナタは十分に役目を果たした。
 ソレはココにいる全てが知ってる」

〈そうか。皆が分かってくれているか…
 ソレはとても嬉しい〉

大きな木は満たされているように見えた。
私はよく飲み込めず
『アナタはココから離れてしまうの?
 居なくなってしまうの?
 それなのに嬉しそうなのは何故?』

〈ワハハ〉
と、木は大きく笑いながら答えてくれた。

〈そうか、君には不思議に見えるんだね。
 ワシは長い間、本当に本当に長い間、
 ココにこうして湖を見守ってきた。
 そして沢山のことを成し遂げてきた。
 成し遂げたからこそ、
 終わりも見えるんだよ。
 永遠にココにいる訳にはいかないんだよ。
 ワシの次の役目の為にもね。
 そしてココに芽生え始めているワシの今の
 役目を引き継ぐモノの為にもね。
 バトンを渡さなければならない。
 それも役目。〉

『私、いま何かとても凄い事を
 聞いている気がする…』

風と木が笑っていた
「凄いこと…そうかもしれないね。
 だけど、皆がそうなんだよ。
 僕だっていつかはバトンを渡して
 僕の次に繋いでいかなきゃならない。
 そして僕は、僕の次のステージに行く。
 それは皆が同じで、本当は君も知ってる。
 皆が知っている事で、
 だけど忘れている事。」

『そうなの!?私も知ってたことなんだね…
 じゃあ、私も何かやるべき事があり
 いまココに居るんだね…何だろう…』

「そうだよ。
 だから旅を続けているんだよ。
 皆、分からないから旅を続けていて
 分かってしまえば、
 満たされて、こなしていく。
 とてもスンナリとこなし始める。
 その姿を何度もみてるから
 間違いないはず」

〈そうだな、ワシも沢山みてきた。
 だから、一つ言えるのは
 歩むこと探すことを辞めてはならない。〉
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